-TIME-5

そこにいると、何故か感じるフェルトの、生温かな肌触り。
    それは奥底に眠っている感触を探しあてた、
    指先に潜む欲望の安堵感に似る。
    毛細血管に広がる感触、息をころし隠れた、
    幼い頃の押入れに籠った、ぬるい匂いの記憶に重なる。
    陽の光、溶け行く影、影は光に背を向け、陰に息ずく。
    陰が、光を、渇きを、静かに飲みほす。
    ここでは、出来事は意味を失い
    営みの繰り返しに、私は鼓動の響きに驚く。

 


    5

 

詩:往蔵稲史仁 写真:鈴木耐子

 

 

 

 

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