四季の花+額入り作品

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たて、よこ。
    弱々しく、頼りなく、手繰り寄せ、
    ねじり寄せられて長く細く、
    一本の糸は人間の歩んで来た時間のリアルな意志。
    たてとよこに織り込まれた糸、
    それは私達の肌になり身体を包む。
    世界はこの一本の糸によって想像され、
    私達を肉体と呼ぶ身体から解放した。
    か細く柔かな糸、
    身体の皮膚の内に息づく毛細血管に触れる感触は
    耳たぶに触れる吐息に重なる。
    手繰り寄せねじり寄せた糸、指先は、身体の糸。
    指先がねじった糸に息づく人間の弱さ。
    たてとよこ。
    ねじり寄せ織り込まれた糸は、
    永久に交わらない意志を与えられ、
    私達を肉体から解き放つ。
    身体は拡張し糸に包まれる。
    それは、あなたに触れる指先のように。

 

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詩:往蔵稲史仁 写真:鈴木耐子

 

 

 

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